体のコラム

健康について考えるコラムです。お時間ある時にご覧ください。

10月20日は世界骨粗鬆症デー

10月20日は世界骨粗鬆症デー(World Osteoporosis Day)といい「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)に対する正しい理解と治療予防法を学びましょう」というキャンペーンが世界中で行われる国際デーです。

みなさんは骨粗鬆症にどんなイメージをお持ちでしょうか?

「骨粗鬆症は老化による衰えのひとつで治療のしようがないもの」と捉えている方も多いのではないでしょうか。
実は、骨粗鬆症は老化が原因の症状ではなく病気のひとつです。
骨粗鬆症になってしまうと様々な合併症を引き起こし、健康に大きな影響を及ぼしてしまいます。
老化は逆らいようのないものですが、骨粗鬆症は予防や治療を行うことで改善が可能です。

骨粗鬆症とは?

骨粗鬆症とは「骨の量が低下し、骨の中の構造が変化することによって、骨が脆くなり骨折しやすくなってしまう病気」と定義されています。
高齢化社会の日本は骨粗鬆症の方が約1300万人以上はいると予想され、予備軍も含めると日本の総人口の約10%はいる計算になります。この先もどんどん増えていくと予想されるので、国民病とも呼べる病気と言えます。
一般的に高齢になるほど骨粗鬆症は増えていき、男女比は1対3で圧倒的に女性に多い病気です。

高齢の女性二人

骨粗鬆症の原因は?

骨粗鬆症は加齢に伴うホルモンバランスの崩れや病気、特定の種類の薬を長期服用、運動不足、栄養分の偏りなどの生活習慣によって引き起こされます。
骨には新陳代謝のように、新たに骨を作る機能と古い骨を壊す機能があり、そのことをリモデリングと呼びます。骨粗鬆症はこの骨のリモデリングのバランスが崩れ、骨を壊す機能ばかりが働くことで徐々に骨が脆くなっていく病気です。
骨粗鬆症は合併症として骨折を引き起こしやすくなり、要介護や寝たきりになる可能性が高いです。
骨折は65歳以上の要介護状態になる原因の第4位です。(その他の原因を除く)※1

女性に圧倒的に多い理由は、ホルモンバランスの崩れが原因です。
女性らしさを生み出す卵胞(らんぽう)ホルモンのエストロゲンは別名「女性ホルモン」とも呼ばれ、骨を新しく作っていく機能があります。閉経後にそのエストロゲン量が減少し、骨を作る機能が低下することで骨が脆くなっていいきます。
一方で、男性も男性ホルモンによって骨が作られますが男性は年齢による影響をあまり受けないため、女性と比べて骨粗鬆症にかかる割合が低いです。

※1 出典
内閣府:平成28年版高齢社会白書(全体版)

骨粗鬆症になると何が問題になる?

◇骨折しやすくなる
加齢とともに足腰が弱まり小さな段差などで転倒することが増えます。かつ骨粗鬆症になっていると骨が脆くなるので骨折しやすくなります。骨は一度折れてしまうとくっつくまでにとても長い時間がかかってしまいます。
特に次の4箇所は骨粗鬆症の方に多い骨折です。

背骨
転倒し尻もちをついた際や椅子に座った衝撃、物を持ち上げた瞬間など簡単な日常生活動作でも骨折をします。背骨の骨折は激しい痛みを伴わないこともあり、単なる背中や腰の痛みと勘違いされがちです。
「最近急に背中が丸まってきた」「身長が縮んだ」などがあった場合、背骨の骨になんらかの異常がある可能性もあり検査が必要です。
太ももの骨(股関節の付け根の骨)
転倒時に尻もちをついた際などに骨折します。
骨がくっつくまで長期間歩けず、後遺症を起こしやすいです。
二の腕の骨
転倒時に手や肩をついた際などに骨折をします。
手首の骨
転倒時にとっさに手をついた際などに骨折します。

◇骨折後に後遺症を起こしやすい
骨折してしまった所を固定していたことによる関節の固まりなどの機能障害や長期間の安静による認知症、肺炎などを引き起こし、ときには健康寿命が縮まってしまうこともあります。よって完全な骨の癒合(ゆごう)を目指すよりも多少の変形が残っても、一日でも早く日常生活に戻す努力が大切です。
骨折したところ以外は早くから積極的に動かすことで、寝たきりや後遺症を防ぐことができます。

骨粗鬆症にならないためには?

運動
ウォーキングしている老夫婦の後ろ姿骨は運動によって強くなっていきます。
ウォーキング程度でも立派な運動であり、骨の量や密度を増やすことが十分に期待できます。
膝や腰が痛むのでウォーキングが難しいという方は水泳や水中ウォーキングが効果的です。水の浮力により足腰にかかる負担が軽減されるので痛みなく運動ができます。また骨だけでなく筋肉も増えるので、転倒のリスクを下げることにも繋がります。
筋肉や骨は何歳になってからでも鍛えることができます。
また小児期から成人になるまでの間に骨の密度は劇的に増え、成人になるまでの間にピークになります。
幼い頃に運動不足や栄養不足があった場合は骨の密度が低くなり、将来的に骨粗鬆症になるリスクが高まります。成人以降も骨の量や密度は増加していくものの増加量が少ないので、子どもの頃の運動と栄養が大切です。

バランスの取れた食事

栄養
バランスの取れた食事骨の栄養というとまず「カルシウム」をイメージする方が多いと思います。
成人男性は体内に約1キロのカルシウムがあり、その99%が骨に蓄えられています。
ではカルシウムだけを積極的に摂取すれば骨密度が上がるかというとそうではなく、摂取したカルシウムが骨に吸収されるかどうかは他の栄養素によって吸収率が左右されますので栄養バランスの取れた食事が重要です。
なかでもビタミンDと組み合わせるとカルシウムの吸収率があがりますので、ビタミンDとカルシウムを合わせて摂ると効果的です。たとえば、魚類や納豆にはビタミンDが多く含まれていますので、和食から気軽に摂取することができますね。
しかし残念ことに、私たちの身体は食事だけではビタミンDを完全には補うことができません。
一定の時間、日光を浴びることにより活性型ビタミンDが作られカルシウムの吸収が促進されます。
近年、日焼けや紫外線を気にして日光に当たることを過度に避ける文化になったことも、骨粗鬆症の進行を早める原因のひとつになっていると言えるでしょう。
お酒と煙草
1日のお酒と煙草の量が少なければ、骨粗鬆症により骨折するリスクは大きく下がります。
毎日欠かさず沢山の量のお酒や煙草を摂取する方は、辞めるというよりはほんの少し量を減らしてみることから始めてはいかがでしょうか?

骨粗鬆症の予防や治療は早ければ早いほど効果的ですが、今からでも遅すぎるということはありません。いくつになっても始められることはあります。
「急に運動を始めることに不安や抵抗がある」「今の自分では少しの距離を歩いただけでも転んでしまうかもしれない」という方は、運動を始める前段階として、当院のお身体のメンテナンスやケアをお役立てください。

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国立駅前カイロプラクティック整体院